お地蔵様に水を掛けるのはよく見る光景ですが、京都市右京区にある油掛け地蔵尊は、その名の通りに「油」を掛けてお参りする珍しいお地蔵様です。
(京都市内には、他にも伏見・油懸地蔵、右京区梅津・油掛地蔵菩薩、があります)
京都市の西の方。JR嵯峨嵐山駅から徒歩6分。(約450m)
所在地も、嵯峨天龍寺油掛町(あぶらかけちょう)。
私がうかがったのは平日の昼間。
そばには有栖川が流れており、畑や住宅があり静かな場所にありました。

地蔵様か、大日如来か。はたして…

近づくと、油のにおいが漂います。
かなり油を掛けられていて、お顔がはっきりとうかがえません。
この地蔵尊、1310年(鎌倉時代)に安置され、江戸時代1680年には油商人がここを通ると必ず油を掛けていたという記述があり、油を掛けられる前は、きっと顔もはっきり見えたはず。歴史を感じます。

飾られている額には、地蔵尊と大日如来の文字が。
地蔵?大日如来?どっち?
と書籍を調べたところ、正体は阿弥陀さんと記載されています。
頭部の左右には観音・勢至両菩薩の種子を刻み、左側に「願主 平重行」、「右側に延慶三庚戌(1310)十二月八日」の銘があり、鎌倉時代後期に阿弥陀三尊石仏として造立されたことが分かる。
「京のお地蔵さん」京都新聞出版センター

伏見・油かけ地蔵の言い伝えでは
こちらの油掛地蔵尊では油をかける理由はわかっていませんが、伏見区の西岸寺の油掛地蔵では、こんな話があります。
伏見の町に得意をもち毎日行商をする油屋がいました。
その日は、どうした事か一向に売れず疲れ切って居たところ、お地蔵さんの前に着いた頃、何かにつまづいたはづみ、両掛の油荷を転がしてしまいました。
その行商、油は流れてしまったものの、「怪我をしなかったのはこのお地蔵さんのお陰かも」と、残った油をお礼にと、お地蔵さんに掛けその日は帰路につきました。
次の日、伏見の町へ行商へ出かけた所、油が売れる売れる。
「今日はお陰でよく売れました。ちょっとしかありませんが」と残りわずかな油をお地蔵さんに掛けます。
そんな日が続き、油を掛けない日の翌日には全く油が売れないという不思議なことがあり、この地蔵さんは油が好きに違いないと毎日油を掛けていました。
その話が広く伝わり、そのお地蔵さんに油を掛けて祈願するとお願いことが叶うと評判になったという話が記載されています。
きっとこのような話が、嵯峨の油掛地蔵尊にもあったのかな?と想像します。


この日は、カメラがうまくなりますようにと祈願をして後にしました。

堂の前(東側)には石の道標があり「右愛宕、左虚空蔵」と記してます。
昔は愛宕神社や法輪寺(嵯峨虚空蔵)へ詣でる人々が往来していたので、今でいう道路標識なのでしょうね。
決して人通りが多い場所ではありませんが、徒歩の人・自転車の人絶えなく参拝しに来る人が居ました。

アクセス
京都市右京区嵯峨天龍寺油掛町30
JR嵯峨野線・JR嵯峨嵐山 駅下車 徒歩6分 京福電車・嵐山線 鹿王院 駅下車 徒歩5分 市バス 11・91・93系統 嵯峨中学前 バス停下車 徒歩2分
撮影裏話
この日は、時より日差しは射すものの、雲が多めの空模様。
絞り優先Aモード・風景写真はF11を目安に、アップをしたいときはF値解放にイメージトレーニング。
ところが、
全体像を撮るときちんと撮れますが、仏像に近づいてシャッターを切るとピントが合わない。
10枚ほど撮りましたがすべてボツ。


石仏側が暗く光が入らないのが原因か、悩んだ末 とりあえずブログ用の写真を撮らねばと、オートモードで一枚撮り、そのデータをもとにAモードで再度撮ったら何とかピントが合う写真が撮れました。
デジイチ初心者向けアドバイス
悩んだらオートで撮るべし。そしてデータをもとにマネをして撮るべし。
ピントボケの原因は何かはわかっていません。
オートで撮ったらISOが12800とかなり高い数値だったので、明るさが問題かと思っています。
知れば知るほど、操作が難しくなっていくような気がします。
精進あるのみです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
アドバイスがありましたら、伝授頂ければ幸いでございます。<(_ _)>

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