京都には、天井に龍の絵が描かれているお寺がたくさんあります。
建仁寺・妙心寺・天龍寺・東福寺・南禅寺・・・・などなど
中でも珍しい「鳴き龍」という蟠龍図(ばんりゅうず)が相国寺にあります。
未熟なカメラの腕を持つハルジオンがカメラ片手に行ってきました。
相国寺の由来と蟠龍図

相国寺とは
正式名称は、萬年山相國承天禅寺
七重塔があったとされた場所です。
なんでも、落雷で火災にあい 消失してしまったのだとか。
再建はならず、そのまま現在に至るらしいと、地元の方に聞きました。
ちなみに相国寺の「相」は「しょう」と読み、「相国」とは国を助ける・治める という意味で、中国から来た名称。
日本でも左大臣を相国と呼んでいました。
相国寺を創建した足利義満は、左大臣(相国)であることから、相国寺というのが由来です。
今回の目的は、天井に描かれている蟠龍図を見ること。
蟠龍(ばんりゅう)とは
とぐろを巻いた龍のこと。地面にうずくまって、まだ天に昇らない龍
Wikipediaより
なぜ、龍は想像の生き物なのに、これだ龍が世界各地に同じように描かれているのか不思議でなりません。
本当は存在していたのか・・・?
行くなら平日
うかがったのは、GWが終わった直後の5月平日。
あいにくの曇り空です。
人はまばらで、拝観するには最適。
特別拝観料(800円)を払い、目的の法堂(はっとう)へ行くと、私一人だけです。
私だけのために、お寺の方に案内をしていただく贅沢さ。
その案内によると。。。
狩野光信作で、1605年。法堂が再建された時に、天井に足場を組み、10年掛けて描かれた図だそうです。
修復されましたが、絵は当時のままで 法堂(はっとう)の天井いっぱいに、絵が描かれていたらしいです。
絵の、痛みがひどくて「修復できたのは龍の絵」だけになってしまったと。
かすかに 雲のような絵が見えます。
そして龍の目を見ながら、法堂の中を歩くと、目が合うというよりも顔全体がこちらを向いてるように見えます。

法堂などの屋内は撮影禁止なので、絵葉書を。
法堂の中の決まった場所に立ち、手を叩くと 、反響のような、振動のような不思議な音が響きます。
天井と床の間を短い時間に反射したときの音らしいのですが、その場所でないと聞こえません。
「びりびり」「ヴィーン」と、不思議な音に包まれているような感覚でした。
この仕組みを理解して作られたのでしょうか?(。´・ω・)?
この八方にらみを目で、鳴き龍を耳で体験してください。

法華経で描かれている観音菩薩
法堂を出て方丈へ向かいます。
すると中央の部屋に、観音菩薩様が飾られてあります。
この観音菩薩は、「法華経」の経文で書かれている文字絵で、よく見ると、観音様の輪郭、後光の部分も小さな文字で描かれています。
これは遠塵斎(加藤信清)という人が書いたとされ、この方が書いたと確認されている、すべての作品が緻密な文字絵による宗教画です。
これもぜひ 足を運んで 自分の目で(ハズ〇ルーペを使って)見てください。

裏方方丈庭園と開山塔


上部の二枚の写真は、方丈の前方と裏の庭の写真です。
前方の庭は、白い砂利を敷き詰めただけの、単調な庭。
これは白砂による太陽の反射を利用して、室内を明るくのに役立っています。
一方 裏の庭園は、自然の山や川を再現した作り方で、四季を感じられるような凝った作りのお庭です。
電気がなかった時代、先人の知恵と、工夫を感じます。

開山の夢窓疎石を祀るお堂です。
「龍渕水の庭」と呼ばれます。
手前の白砂の庭園と、奥の木や苔が生えている庭の間に水路があります。
今では水が流れていませんが、以前(昔)は水が流れていて、賀茂川から相国寺の北側にある「上御霊神社」→「相国寺」→「御所」まで流れていたそうです。
鳴き龍・蟠龍図・庭園・当時の知恵と技術を間近に見て、改めてすごさを感じたお寺でした。
相国寺のそばには同志社大学があり、境内を学生さんが歩いているのを見かけました。
今を生きる若い人たちと、数百年も前から残されてきたお寺。
今と昔を繋ぐものやこと。ずっと残し続けたいと思う帰り道でした。
公式サイト 大本山 相国寺 《住所》 京都市上京区今出川通烏丸東入 《電話》 075-231-0301 《拝観時間》 10:00~16:00 《拝観料金》 一般・大学生 800円 65歳以上・中高生 700円 小学生 400円 未就学児 無料 《アクセス》 ・地下鉄烏丸線 「今出川」駅下車 徒歩6分 ・市バス 51・59・201・203・急102 系統 「烏丸今出川」バス停下車 約8分 ・市バス 59・201・203 系統 「同志社前」バス停下車徒歩 6分
・カメラ視点・
帰宅してから写真を見ると、ボケてたり、何を取りたいのかか分からない写真ばかり。
紅葉が、映える頃にまた拝観して、腕をあげたところをupしたいものです。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
上達ぶりをこうご期待です。
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