京都・寺町三条 矢田寺(生身地蔵)

京都巡り
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京都の繁華街に近い寺町三条。

「寺町三条」と聞くとアニメや漫画を思う浮かべる方もいらっしゃると思いますが、三条寺町北東に矢田寺(やたでら)というお寺があります。

いつも通るのに入ったことがない矢田寺。

カメラを手にお出掛けです。

寺町三条南から矢田寺を見た風景
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矢田寺(矢田地蔵尊)

一般的には矢田地蔵の名で親しまれている西山浄土宗のお寺です。

寺伝によれば、承和じょうわ12(845年)、大和国(奈良県)矢田山金剛院の別院として創建され、初め下京区矢田町にあったが、天正7(1579年)現在の地に移ったとされています。

生身(いきみ)地蔵

本堂に安置する本尊地蔵菩薩立像は高さ約2m。

この地蔵尊(矢田地蔵尊)については、《元亨釈書》や《矢田地蔵縁起絵巻》には、次のような霊験を伝えています。

閻魔王えんまおうがあるとき、冥官みょうかん小野篁おののたかむらに向かって「前世の因縁で、この身に受ける禍が多いため、気分が優れぬ。この憂いを取り除くよいふくうはないのものか?」と尋ねたところ、篁は「大和国矢田寺の満慶上人に仏教の戒めを受けられたらよいでしょう」と推薦した。閻魔王はそれを聞き、篁を矢田寺に遣わし満慶上人を地獄の宮殿に招いた。そして、日頃の悩みについて述べたところ、満慶上人は菩薩戒ぼさつかいを授けてその悩みを癒したという。

喜んだ閻魔王は、「お礼をしたい」と言ったところ、満慶上人は「この機会に地獄を見学したい」と申し出たところ「いともたやすい」と閻魔王自ら八寒八熱はっかんはちねつの地獄を案内した。

そこは経文に書かれている通り、凄惨なところでその中に袈裟けさをかけ錫杖しゃくじょうを持った一人の僧が、亡者と共に熱湯の中や火の中に浮き沈み、あるいは剣の木や刀の山にかけ登ったりしているのが見える。

満慶上人が「あの人は?」と閻魔王に尋ねると「直接聞かれたらよいでしょう」と言うので、その僧に問いかけたところ「私は地獄菩薩である。釈迦の教えに従い、多くの人々の苦しみに代わり慈悲の心をもって救っている。そなたは娑婆へ戻れば私の姿をつくり生きている人たちを済度しよう」と言った。

満慶上人は、再び娑婆に戻ると一体の地蔵像を作って安置したのがこの地蔵だといわれている。(生身地蔵いきみじぞう

代受苦だいじゅく地蔵」「奈落化現ならくけげん地蔵」とも呼ばれるのは地獄で人々を救う地蔵尊として絶大な信仰を集めたからであろう。

京のお地蔵さんより引用

この話には後日談があり、満慶上人がこの時閻魔王から一食分の米の入った桝をお土産として贈られたが、この桝は上人が米を食べおわるたびに、代わりの米でいっぱいになるという重宝なものであったので一生食べるに困らなかった。よって世人は上人を「満米上人」と呼んだという。

説明看板には 満慶(満米)と記載されています。

この満慶上人が訪れたという八寒八熱の様子が絵馬に描かれています。

救い地蔵絵馬(赤)
救い地蔵会(黒)

重要文化財・矢田地蔵絵巻に描かれているグロテスクな絵馬です。

上人が見た風景でしょう、罪人を救う姿が描かれています。

本尊は撮影禁止。

道を挟んだ所から撮影させていただきました。

本尊が祀ってある中央付近をご覧ください。

地蔵尊の背景には珍しく光背を火焔形になっているのがこの写真からも見えると思います。

これは、上人が仏師にこの像を掘らせた際、自身が見て来た地蔵菩薩ので背景を火焔にしたとされています。

賓頭盧(びんずる)さん

撫で仏・びんずるさん

本尊横に、口を開けてなにやら話し出しそうな表情の仏さんが居らっしゃいました。

こちら賓頭盧(びんずる)さん。

お釈迦様の弟子のひとり。

自分の病を患っている場所と賓頭盧さんの同じ箇所の部分を撫でると病が治るといわれ信仰されています。(残念ながら※2022年6月時点、新型コロナ感染予防のため触れません。)

しあわせ大日如来さま

こちら厄除開運のしあわせ大日如来さま。

下にはぬいぐるみのお地蔵さんが奉納されています。一つ一つ表情が違いかわいらしい。

水子地蔵さん

しあわせ大日如来さんの隣にいらっしゃるのは、凛々しいお顔の水子地蔵さんです。

地獄から罪人を救う生身地蔵さん、病気を治すといわれる賓頭盧さん。しあわせを願う大日如来さんと水子地蔵。

人生の苦悩や願いが、この京都の町中のこじんまりとしたお寺に詰め込まれているような気がします。

お寺から通りを見ると頻繁に人が行き来するのに、このお寺に入ってくる人は一握り。

この矢田寺を北に上ルと本能寺があり、本能寺と比べると決して目立つお寺ではないけれど、商店街の一角に馴染み、親しまれている矢田寺一度足を運ばれてみてはいかかでしょうか。

アクセス

住所 京都市中京区天性寺前町523

市営地下鉄 東西線 京都市役所前 下車徒歩3分
京阪電鉄  三条駅 下車徒歩7分
阪急電車 河原町駅 下車7分

撮影裏話

寺町商店街はいろいろなお店が立ち並んでいます。

ふと見ると、古書店でなにやら…

ドラマの撮影でしょうか。

これも京都の風物詩でしょうね。

京都の皆さんは慣れていらっしゃるのか、誰も足を止めませんでした。

撮影裏話カメラ編

今回の記事の写真すべて望遠レンズで撮っています。

実は標準レンズを忘れたという初歩的な失敗です。

この望遠レンズ50mm-250mm。どんなに遠くからとってもお寺の全体像が入りません。

しかしあきらめるわけにも行きません。

精一杯全体像がつかめるよう、なんとか雰囲気だけでもと頑張りました。

そしてこの日の天気は、梅雨時の晴れの日。

屋外とはいえ寺町商店街は、雨の日も買い物がしやすいようにアーケードがあり、撮影するには明るめに設定しないと暗い写真になってしまいます。(なってしまいました)

その写真がこれ

F13 ISO・3200 50mm 露出0

登場した大日如来さんの写真です。

屋外にしてはISOを高めに設定(3200)し、全体的にピントを合わせたいのでF値13と絞り気味にしましたが、F値が大きすぎたようで暗い写真になってしまったようです。

対策として、露出を+にするべきでした。

暗く映る画像の時は露出をあげるべし

基本の基本ですね。

カメラを持ち、なおかつ周りに人がいると、目が気になり「早く撮らないと」とテンパります。

他の方の迷惑にならないようにしつつ、ちょっとのずーずーしさと冷静さ大事かもしれません。

撮った写真を見て判断し、撮りたい写真にパッと設定できるように、もっとカメラを持ち触り精進したいと思った次第です。

さて次はどこに行きましょうか。楽しみです。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

happyなカメラライフを。

ご指導ご鞭撻ございましたら、コメント欄へどうぞ。

この記事を書いた人
ハルジオン

   京都在住
   愛機・Nikon Z6ⅱ
  
「体は食べたもので作られる」「体が整えば気持ちも整う」
長年体調不良で悩まされ、食事を変えたら元気になりつつあります。
その経験から、本物の調味料の紹介や元気になって最近趣味として始めたカメラを主にしたことを発信しています。

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